2013年09月04日

ZEMAXのレベルチェック!

ZEMAXレベル確認クイズ

チュートリアルのテキストが終了して、学習スペースがガタ落ちしてしまった感は否めませんが、なんとかボチボチ学習は続けています。
それもこのブログのおかげで(アクセス数はかなり少ないなりにも…)「人様の目」を多少なりとも意識しているおかげかな、と思う今日この頃です。

さて、本日は「日本国内唯一のZEMAX正規総代理店である株式会社プロリンクス」の「ユーザーサポートフォーラム」を覗いていたら、たまたま「レベル確認クイズ」なるものを発見しました。「お、これは面白そう!」ということで早速挑戦してみました。

シーケンシャルクイズ

クイズは、「シーケンシャル」と「ノンシーケンシャル」の2種類用意されています。
私がこれまでテキストで学習してきたのはシーケンシャルモードのみですのですので、まずはコチラに挑戦します。

1.png
クイズはこんな感じで10問(元ページよりキャプチャ画面を引用)


1問だけ例として載せておきますが、キャプチャ画面で引用を多用するのは気がひけるので、興味がある方は元ページでどうぞ。

さて、結果は…10問中「7問正解」でした。

正答数が7〜8問の方は、Zemaxのノンシーケンシャルモードを半分ほど理解しています。
このフォーラムの記事をよく読んで勉強に励んでください。
(ユーザーフォーラムより引用)

6問以下で「入門セミナー」の受講を勧められるレベルなので、なんとか完全な初心者レベルは抜けて、ひよこに毛が生えてきた、といったレベルでしょうか。半分以上は自信を持って正解できたので、学習の効果を多少なり感じることができました。

不正解の箇所

せっかくなので、間違った箇所を深く掘り下げておきます。
私が不正解だったのは「問4,問7,問8」の3問、さらに「問5」はなんとなく正解できましたが、きちんとは理解していません。この4問について、ひとつひとつ理解していくことにしましょう。

問4:Marginal Ray Height の Solve について

テキストの学習で何度か「Solve」は出てきましたが、キチンとは理解していませんでした。
(レッスン2を復習してみると、この問題通りの使い方をしていました。この時に注意深く学んでいれば、正解できたはずの問題でした)
今一度、マニュアルで「Thickness: Marginal Ray Height」について確認しておきます。

・結像面を近軸焦点に移動するのに使用される(レッスン2で実践済み)
・ここで指定する「光線高さ」は、次の面における光線高さに相当する


問5:瞳の積分法

この問は「デフォルトメリットファンクション」における「瞳の積分法:Pupil Integration Method」についての問題です。
この辺りに関しては、レッスン4で、「Ring, Arms」について調べた時に、マニュアルを読んだ記憶があります。その時の理解が浅かったためでしょう、クイズでは自信を持って正解を選択することができませんでした。
マニュアルを読んでも深く理解するのが難しそうなので、「各手法の使い分けポイント」だけは押さえておきたいと思います。

・瞳の積分法は「ガウシアン求積(GQ)法」「矩形配列(RA)法」の2種類
・GQ法は、円や楕円形状の瞳の場合
・RA法は、上記以外の瞳の場合、多くの光線が必要で計算に時間がかかる


問7:入射瞳のアポダイゼーション

まずはアポダイゼーションとは?から。「オプトロニクス社のレンズ辞典」を参照すると、照度分布が均一でない様を意味しているようです。とりあえず、回答に記載されていた式を引用しておきます。

(アポダイゼーション係数)={(入射瞳径)/(ガウスビーム径)}^2


問8:画像シミュレーションの視野高さ

これはまだ使用したことのない機能です。せっかく出てきたので、この機能は後で試すとしてまずポイントのみ押さえておきましょう。

・「視野の高さ」は、全幅で指定
・「視野の高さ」の単位は、視野データのタイプで指定


眠くなってきたので、後半かなり飛ばしましたが、「シーケンシャルクイズ」についてはここまで。


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ロンドンで話題騒然!「車を溶かすビル:Walkie-Talkie」

本サイトはとーっても真面目な学習記録ブログですが、たまにはカジュアルに時事ネタも扱ってみます。

ロンドンで建設中の凹面形状を持つビル、通称:Walkie-Talkie

まずは日本のニュースサイト「産経ニュース」からどうぞ。
こちら「DailyMail」は英語で書かれていますが、写真が多く掲載されており、「車の部品が溶けている(!)様子」や、「集光された太陽光の様子」が見られるので状況をつかみやすいです。

なんと凹面形状を持つガラス張りのビルが太陽光を集光してしまい、隣接した場所がものすごーく熱くなっている、ということです、なんと高級車ジャガーの部品が溶けた!らしいです。
これは興味深い!ということで、ZEMAXでモデリングし、集光する様子を視覚的に確認してみることにしました。

20130716101643.jpg
平行光+凹面ミラー

わざわざモデリングするまでもなく「平行光が凹面ミラーで集光されているだけ」なので上図のようなイメージが容易にできますが、座標系を設定する練習になりそうですし、たまにはこんなのも良いかな、と。

もちろん、各パラメータは私の推測値なので、厳密な光学シミュレーションにはなっていません。あくまでもZEMAXの操作の練習をしてみた、というものです。

ビルの向きや形状を確認

まずは、ビルの向きと大きさを調べます。
ウィキペディアによると、高さは「160m」。場所は通りの名前が分かったので、詳細位置をグーグル・アースで確認しました。

GE.jpg
問題のビルの位置をGoogle Earth で確認 (中央左の青い高層ビル)

凹面がちょうど南向きになっています。そりゃキケン…です。グーグルストリートビューとYoutubeで確認したいくつかのニュース映像から、「2つ隣りのビルの側面地面付近がホットスポット」ということを確認しました。これで結像(IMA)面の位置を設定することができます。
その他のパラメータはビルの高さをもとに目測で決め、さぁZEMAXへ入力です。

ZEMAXへのモデリング

さて、各パラメータの値を決めたので、あとは入力するだけです。別に最適化するわけではないので、波長も初期設定のまま単波長のみ、としました。

・適当な口径で平行光を「この時期のロンドンの南中高度」くらいで入射させる
 (レイアウトで分かりやすく入射光を表示させるため)
・ビルは単純な凹面ミラー
・すぐ横に低い遮蔽用の建物
・その横に結像面に相当する建物

以上の流れで入力していきました。

入射光とビルの関係は、この時期のロンドンの南中高度をもとに、40〜45度くらいに設定し、後はニュース動画でみた太陽の像と、ZEMAXのレイアウト図のイメージがおおよそ合うようにパラメータを調整して完成させました。

操作のポイントとなるのは、「コーディネートブレークによる座標系の設定」や「アパチャーで形状を矩形に制限する」といった内容でしょうか。オフセットなど、座標系の設定は頭が混乱してしまうので、レイアウト図を見ながらトライ&エラーしないといまだに入力できません。

今回の練習を通じた新発見は、レッスン7で「折り返しミラーは、コーディネートブレークで挟む」と学んだのが、その限りでは無いケースも存在する、といういことです。
今回は、光軸と凹面ミラーで折り返された後のビル(遮蔽物と結像面)が垂直ではなく、凹面ミラーと平行な位置関係にあったため、折り返しミラー後のコーディネートブレークは不要でした。

20130904233958.png
最終的に入力されたLDEの状態

20130904233733.png
3Dレイアウト図

X,Y軸ともに回転と位置のオフセットが入っています。このレイアウト図では、なにか寂しい感じなので、シェードモデルで表示させてみました。こちらの方が、ちょっと豪華な感じで良いですね。

20130904233752.png
本日の成果物:凹面形状のビルで太陽光が集光されてしまう、の図

「百聞は一見に如かず」絵で見ると一目瞭然で理解できますね。
また、集光面でのスポット形状を確認してみると横長の像になっていました。ニュースの映像でもそのように光っていたので、ざっくりモデリングの割りには、うまくいったのかもしれません。

以上、ここに書いてしまうとものすごく簡単な内容ですが、ZEMAXの操作&まとめるのにそれなりの時間がかかっています。なかなか楽しめましたが、明日もまた睡眠不足ですね…

タグ:時事ネタ
posted by ひよこデザイナ at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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